2025.09.03
ペリカン石鹸にできること。
part2. ロングセラーの誕生
せっけん業界に新風を巻き起こした着想と、それを実現させた技術力
ライフスタイルが多様化し、せっけんの消費動向も大きく変わってきた2000年ごろ。当時驚きを持って迎えられた黒いせっけん『泥炭石(でいたんせき)』を開発して大ヒット、時代の波に抗った『ペリカン石鹸』が、次に打った「パーツケア」という一手とは?
高度経済成長とともに、日本の家族を支えてきたせっけん。しかし時代と共にライフスタイルは多様化して、「洗う」という生活の基本的な所作ですら、大きく変化してきました。せっけんのニーズも変化して、よりパーソナルな、より多様性に満ちたものに。
たくさんあった他のせっけん工場がどんどん淘汰された後も、自社工場と共にせっけんを作り続け、ヒット商品を次々に世に送り出した『ペリカン石鹸』の想いを、代表取締役社長・渋井 伸和(しぶい のぶかず)に聞きました。
自社工場と共に、国内のせっけん業界の苦境を乗り切って。発想を新たに、新ジャンルのせっけんを開発
ー白いせっけんが当たり前だった時代に、黒いせっけん『泥炭石』を発表し、業界を驚かせたところまで、Part1で伺いました。
渋井:2000年ごろからじわじわと売れ始めた黒いせっけん『泥炭石』がその後大ヒット、ロングセラーとなってくれましたが、その頃は他のせっけん工場がどんどん淘汰されてなくなり、国内製造のせっけん業界全体が元気をなくしていた時期。幸いうちには自社工場があって、自由にチャレンジできる環境にあったので、本当にいろいろなせっけんを発売していましたね。中にはあまり売れなかったものもあるのですが…。
でも企画から製造まで、これだけ自由度が高く一貫してできる会社は他にはなかったですし、やっぱり時代に合わせてどんどんいろんな商品を出していくぞ、というのが社風なのかもしれません。そんな中、「パーツケア」発想のせっけんを2014年に発売して、これが新たなジャンルとして確立していったのは、大きな出来事でした。
▼「ペリカン石鹸にできること。part1. ロングセラーの誕生」はこちら
▼「すべてのアイテムリスト」はこちら
顔用とからだ用しかなかったせっけんの世界に、パーツケアという新しい概念を持ち込んだ、背中用せっけん『薬用石鹸 For Back』
ー「パーツケア」発想の商品というのは、どのようにして生まれたのでしょうか?
渋井:もともとせっけんって、「洗顔用」と「ボディ用」の2種類しかなかったんです。それどころか、昔はせっけん一つで顔もからだも頭も全て洗うという人も多かったですし。
そんな中で、企画のほうから、背中のニキビに悩む人向けに、背中を洗うことに重点を置いた商品を出したい、という話が出てきました。たしかに、人間のからだはパーツによって皮ふの厚みも違いますし、さらされる環境も違います。だから、パーツごとに処方を組んでいくのは理にかなっているわけですよね。
そこで、研究を重ねて、2014年に『For Back(フォーバック)』という、背中のニキビを防ぐ薬用せっけんをリリースしました。
薬用石鹸 For Back/550yen(in tax)
▼「For Backシリーズ」はこちら
▼「パーツケアアイテム」はこちら
話題が沸騰した『恋するおしり』せっけん。シリーズ化して、ローションやスクラブなども展開する一大ブランドに成長!
渋井:『恋するおしり』はSNSから火がついて、まさしく“バズった”という感覚です。発売してしばらくは、まあこんなものかな…といった感じの売れ行きだったのですが、あるときから急激に売上が伸びていき、知名度もアップしていきました。売れ行きがよいのはよかったのですが、工場の生産が追いつかず、欠品してしまったということもありました。
せっけんの大ヒットを受けて、『恋するおしり』はシリーズ化して展開しています。せっけんで洗ったあとのケアができる『ヒップケアボディローション』や、特別な日のスペシャルケアを想定した『石けんスクラブ』など、ブランドとして大きく成長。さらにこの秋(2025年秋)には、新商品となる『ヒップケアボディバター』の発売も控えています。
恋するおしり ヒップケアソープ/660yen(in tax)
▼「恋するおしりシリーズ」はこちら
▼「パーツケアアイテム」はこちら
次なるパーツケアの注目アイテム。『おっぱい想いの石鹸』と、乳がんのセルフチェック用パッド『NADETE』が、「洗う時間」に変化をもたらす!
ー2021年にはバストを洗う『おっぱい想いの石鹸』、そして2024年には乳がんのセルフチェック用パッド『NADETE(ナデテ)』が発売されました。
渋井:パーツケアの商品を開発する流れの中で、毎日の「洗う時間」というものの価値をよりいっそう高めたいね、という共通認識が生まれました。ただ「洗う」だけじゃなくて、同じ時間で「ニキビのケアも一緒にできたら」「お肌をつるつるにできたら」、洗う時間の価値は高まっていくだろう、と考えるようになったんです。
さらに「お肌をキレイにする」という以外に、「洗う時間」を活用できないのかな?という議論の中で、洗う時に乳がんのセルフチェックまでしてもらえたらいいんじゃないか、という発想から、『NADETE』の開発に至ったのです。
写真左から:
セルフチェック用パッドNADETE(単品)/2,750yen(in tax)
胸のセルフチェックサポートセット/3,080yen(in tax)
おっぱい想いの石鹸/660yen(in tax)
▼「パーツケアアイテム」はこちら
渋井:『おっぱい想いの石鹸』は開発当時から、単なるパーツケアせっけんとしての役割だけでなく、乳がんのセルフチェックに繋げることができないかな、という発想はありました。けれども、なかなかセルフではやり方も判らない。乳がんの啓発イベントなどで医療用モデルのしこりに触れる機会はあっても、それを覚えておくなんて無理な話です。
そこで、きちんと乳がんの権威である、亀田総合病院の福間先生に監修をしていただいて、ウレタン製のセルフチェック用パッド『NADETE』を完全オリジナルで開発。『おっぱい想いの石鹸』で洗う際に、いっしょになでながら乳がんのチェックができるモデルとして販売することができました。セルフチェックによって、少しでも初期の乳がんの発見につながればいいですし、「洗う時間」をより価値のあるものにできるといいな、という想いで、乳がん関連のイベントで紹介したり、母の日のギフトとして推奨するなどの活動を始めています。
写真奥から:
おっぱい想いの石鹸/660yen(in tax)
セルフチェック用パッドNADETE(単品)/2,750yen(in tax)
▼「パーツケアアイテム」はこちら
ペリカン石鹸にできること。part1. ロングセラーの誕生
ペリカン石鹸のヒストリーを紐解く。いままで、そしてこれからのせっけんの役割とは?
戦後日本の復興と共に歩んだ、『ペリカン石鹸』の歴史。せっけんという日用品を通して、日本人の生活が見えてくる…。黎明期からロングセラー商品の誕生秘話までを、代表が語ります。
▼「ペリカン石鹸にできること。part1. ロングセラーの誕生」はこちら
PROFILE
渋井 伸和(しぶい のぶかず)
株式会社ペリカン石鹸 代表取締役社長
2010年に株式会社ペリカン石鹸に入社。副社長を経て、2016年代表取締役社長に就任。固形せっけんにできることを模索していく中で、パーツケアの商品を提唱。『恋するおしり』のシリーズ大ヒットに繫げる。趣味は料理。
▼「パーツケアアイテム」はこちら
For Back 背中つるつる薬用ジェルミスト
¥715(税込)
<いちご鼻を洗う石鹸> ドットウォッシー[Dot Washy.]
¥550(税込)
薬用石鹸 For Back(フォーバック)
¥550(税込)
恋するおしり ヒップケアボディローション
¥990(税込)
恋するおしり 石けんスクラブ
¥1,980(税込)
胸のセルフチェックサポートセット
¥3,080(税込)
[パーツケア]アイテムリストを見る
※『NADETE』は、医薬品および医療機器ではございません。